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経絡治療とは「病体を気血の変動として、統一的に観察し、総ての病変を経絡の虚実となし、その主たる変動経絡を主証として把握し、経穴をこれが診断と治療の場として、鍼灸を以て補瀉調整し生命力の強化を図る髄証療法」であります。
『わかりやすい経絡治療』福島弘道著 東洋はり医センター刊より
難しいですよね(^_^;)。読み飛ばしてください(笑)。
今から2千年以上前に中国で生まれた鍼灸術は6世紀頃、仏教と共に我が国に伝来し、明治初期までは漢方薬と共に日本の医学の主流でした。一方幕末に伝来したオランダ医学(西洋医学)は明治政府の近代化政策により、国策として採用され、東洋医学は西洋医学の不足を補なう代替医療となり、現在に至っています。
かつて鍼灸医学は「術にすぐれ理論に乏しい(臨床的には優れているが理論がない)」と言われ、「なぜ効くのか?」という説明がないので科学的でないとの批判を受けました。日本各地に名人がいて家伝の灸や独自の治効理論に基づく施術も行なわれていましたが、痛い部位や圧痛部位に鍼を刺したりこの症状にはこのツボが効く(経穴治療)が主であったそうです。そのような中、柳谷素霊先生の「古典に還れ」のスローガンのもとに鍼灸医学の体系化と実践がなされることとなりました。昭和16年10月「経絡治療」は誕生しました。
診断=望、聞、問、切による。
切診=切診と脈診に分かれる。特に脈診を重視する。脈診は六部定位の脈法を用いる。それによって証を決める。
治療=証に対して鍼灸の補瀉を行う。
治法=本治法と標治法に分ける。本治法は経絡の変調を調整する目的で手足の要穴に補瀉の法を施す。標治法は、病める箇所に苦痛を除去するために施術する。
穴の決定=補穴、瀉穴を決定し、鍼または灸を使い分ける。
※『昭和鍼灸の歳月━経絡治療への道』上地栄著 績文堂刊より抜粋
少し難しい引用になりましたが、詳細は実際の施術の際にわかりやすくご説明いたします。
経絡治療では経絡(気血の通り道→エネルギーと栄養の通り道)の異常を捉え、経穴(ツボ)を使って経絡のバランスを整えて体全体の治癒力・生命力の強化をすることを目的としています(本治法)。
さらに今出ている現象・症状に対しての施術(標治法)を行ないます(標本同治)。
皮膚に刺入する鍼は毛穴に入ってチクッとしたり、神経に当たって鈍痛がすることがあります。この鈍痛を鍼の「響(ひび)き」といって中医学では「得気(とっき)→気を得る」と言い治療効果を左右するものとして重視されます。この響きには①重(重たい感じ) ②酸(だるい感じ) ③脹(張ったような感じ) ④麻(痺れた感じ) がありこれが好きな人、気持ちいいと感じる人もいるようですが、私は鍼灸学校の学生時代から苦手でした。また、臨床の現場で患者様に「刺さってんの?」と言われ「~本刺さっていますよ」といったケースも多々ありましたが、それでも症状は良くなり、私の場合鍼のひびきは施術効果には関係ありませんでした。
繊細な人には1本でも痛みを感じさせると全てが駄目になってしまいます。私自身刺されるのが苦手なので、主に接触鍼を用いる脈診流経絡治療のやり方はありがたいものでした。当方では接触鍼でも刺激が強すぎる体質の方やドーゼ(刺激量)過多を避けるために、写真のような鍉鍼(ていしん)で殆ど皮膚に接触させずに行なう方法を用いることもあります。鍼がこわい方もご安心してお越しください。
腰痛・肩こり等の運動器疾患は勿論、原因不明の怠さや疲れ、気分の落ち込み、心の疲れ、臓器の不調など、適応範囲は「全科」にわたります。体の不調はすべて経絡の変動として捉え、この経絡を調整していき不調の改善を目指すもので、個々の病気に対する治療ではないので様々な症状に対応出来ます。
施術メニューの流れをご紹介します。
初めての方は予約時間の10分位前にお越しください。
お着替えの必要な方は更衣室でお着替えください(鍼灸用患者着も用意してあります)。
バインダーをお渡ししますので、簡単な予診票のご記入をお願いします。
予診票で記入していただいた内容をもとに、カウンセリングを行います。
そのあと、施術に関するご説明や不安なこと・ご質問をお伺いいたします。説明は患者様がイメージをつかめるように、なるべく分かりやすく一般人でも理解出来るように心がけていますが、分からなければ遠慮なくお尋ねください。
東洋医学的診察(四診)
①望診(視診よりも大きな意味での観察)
②聞診(声色やにおい)
③問診
④切診(脈診・腹診・切経・触診)
私の学んできた脈診流経絡治療は元々目の不自由な方々の間で発展してきた為、④の切診(せっしん)が重視されます。
その他必要に応じて整形外科的理学検査、神経学的検査を行ないます。
カウンセリングや上記の四診・検査法から治療法を立てて施術に入ります。
実際患者様の体を触って、施術を開始してから初めて分かることも多々あります。脈診流経絡治療では初めに証(臨床診断のこと)を立てて、使う経穴(ツボ)や手技手法を機械的に決めて進めていくようなやり方ではなく、患者様の体の反応・変化を観ながら手技手法を調節して進めていきます。
施術後の状態の確認と、現在のお体の状態の説明。
今後の通院についてのご相談・アドバイス。
※当院では無理に通院させたり、治療を長引かせる等の営業行為は一切致しておりませんので、ご安心ください。