脈状診の重要性
脈診の際に、脈状診と六部定位脈診という2つの考え方で脈を診ています。
六部定位脈診は五臓六腑や経絡のどこに変動があり、全体的にどのようにバランスが崩れているのかを、脈状診は病の深さ(病位)や性質(寒・熱)、勢い(病勢)のように、現在の体の状態や体質を見極めます。
例えば臓腑・経絡に変動がある場合でも
脈が浮いていて強いもの
浮いていて弱いもの
沈んでいて強いもの
沈んでいて弱いもの
は全て鍼の手技手法が異なってきます。本治法においては、一鍼ごとに脈の変化を確認して今の鍼が正しかったか、次の鍼はどうすべきかを考えて、良い方向に施術を進めていかなければなりません。
そのためには良い脈とそうでない脈を知っていなければならない。良い脈になれば予後も良くなることが予測出来る。そのようなわけで脈状診はとても大切です。勉強会では兎に角触って憶える。私のような凡人は腑に落ちるまで数を触ってベテランの先生が施術した時の変化の違いも確認する。最初は何も分からなくても徐々に見えてくるものがある。

触り方の大切さ
活きたツボを探す際、手や指が重いと脈が硬くなる。軽く触っても手に力が入っていると脈が良くならない。手を浮かしていても力が入っていると脈が良くならない。
皮膚に接触させた鍼はしっかり押さないと気が動かない。その時も鍼を持っている手が固いとダメで、鍼を支えている方の手(押手)の当て方や指の開き方も重要。何より意識が大切。このあたり、合気道にとてもよく似ている。
その他
症状で証(肝虚証など東洋医学的診断)を決めてはいけない。症状は結果であって証(原因)ではないと大切なお話がありました。
2025/06/30