町田市の鍼灸・整体院

〒194-0003 東京都町田市小川3-1-3(成瀬駅徒歩22分・町田駅バス15分 駐車場あり)

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090-1799-9798

 80代女性。一昨日から食後や夜中にげっぷが出て横になるとお腹が張り、もたれた感じがして眠れない。便秘もあり。目の奥が疲れ、頭は冴えて昼も眠れずうとうとするだけ。ここの所トイレが近く、頻尿に効く漢方薬を自己判断で飲んだのがお腹の不調の原因だと思っているとのこと。自律神経がおかしく、疲れ切って来院。

 お腹と脈を診て証(東洋医学的診断)を立て、接触鍼で本治法を進めていく。疲れていたせいか、落ち着いてきたのか、来院時の不安で饒舌な状態とは変わって静かに施術を受けていました。うつぶせになってもらい、標治法のお灸を数か所とサササッと散らす鍼(散鍼)を背面に行ない再び仰向けで脈とお腹を確認。お腹は艶が出て、脈の硬さや速さが大分とれて軟らかく流れる。

 「来てよかった。気持ちが良かった。活力が湧いてきた。」と安心した表情で帰られました。

 

 30代男性。数年前、新型コロナウイルスに感染。当初は病院でBスポットを行ない著効あり、以後暫く薬物療法をを続けた。ストレスや睡眠不足、体調不良になると、頭がボーッとして(ブレインフォグ)体が重だるく、呼吸が浅く深呼吸が出来ない症状を定期的に繰り返す。病院では新型コロナウイルス感染後遺症との診断。入眠障害もあり。今日も呼吸が浅いとのこと。

 腹診でお腹が部分的に冷えている。脈を診て「これは!」と思いました。コロナ罹患中の脈とそっくりの、薄くて速くて硬い脈。数年前に罹患して治療は終わっているにも関わらず。これでは体調がいいはずがない、つらいだろうと思われました。

 一鍼一鍼、脈の状態に応じて本治法を進めていく。本治法が終わる頃には大分脈の速さが落ち着き、硬さも緩んできました。鎖骨周囲をサササッと鍼で撫でて(散鍼)「うつぶせになってください」と声をかけると「息(呼吸)が楽になった」とのこと。うつぶせでお灸数か所と背面の散らす鍼(散鍼)を行ない再び仰向けで脈とお腹を確認。お腹は温まり艶が出て、脈の深さも中位になり、速さも硬さもだいぶ取れて流れるようになりました。呼吸が楽になって体が軽くなったそうです。

 

 昨日一昨日と上記のような患者さんが来院されました。経絡治療は病名治療ではなく、病気の治療を目的とせず、様々な症状に対して帰納法で証(東洋医学的診断)を立て、全体のバランスの崩れを調整することで症状が良くなっていきます。鍼とお灸の力で反応を起こして体が自ら良くなる力を引き出すものです。今回の症例は鍼を刺入(皮膚を突き破って刺すこと)していません。

 なるべく患者様の体に負担のない施術を追求していきたいと考え、日々精進していく所存です。

 

2025/09/17

 本日は精神疾患の方が2人続きました(元々病院では治療を受けています)。お二人とも心身ともに疲れてだるく、疲労感・倦怠感がとれないとの事。不安そうな表情で来院されました。こういう患者さんには適当な気休めや慰めは通用しません。

 一人の方は、鍼を刺されるのが怖いので、なるべく刺さないで施術してほしいとのことなので、鍼は1本も刺さずに接触させるだけの方法とお灸で施術しました。

 「鍼は刺すもんじゃないよ。気を動かす鍼をしなさい」と、いつも師匠は仰います。気の病は鍼で気を動かすことが大切になります。私の出来ることは脈やお腹・呼吸や皮膚の状態をよく診ながらツボや手技を選択し、全体のバランスを調えていくことです。

 施術後、表情が明るくなり「体がポカポカになった」「体が芯から温まった」などと仰り、口が重い状態から帰りは二人共雑談をして帰られました。患者様が元気な顔で帰られていかれることが何よりもの喜びです。

心までポカポカになって頂けるよう、日々人間修行です。

 

2025/09/12

 

鍼の不思議

 今月は指導者の浅場先生が所用でお休みの為、『難経』の発表と講義はなく、代わりに鈴木先生が指導にあたりました。

 いつもの本治法・標治法の練習の他に、先生が実際の臨床で考えだした方法を惜しみなく披露してくださいました。

 

 腸腰筋の腰痛や股関節が開かない場合の緩め方、肩痛や肩の可動制限の緩め方など。いずれも刺さずに鍼を当てるだけで不思議と緩んでくる。患者さんにも負担が少なく素晴らしいものだと思いました。

 

                                                                                      2025/08 /23

基本の重要性

坐骨の押し上げ

 埼玉は暑い(^_^;)!車の外気温計が町田より2℃位高く40℃越え。内陸部は暑さが違います。そのような中、今月も整体奥伝の調整法の勉強会が上尾の向山整体センターで行なわれました。

 今回は坐骨神経痛や下肢の冷え取りについて川口先生からお話と実技講習がありました。

大腿後面の足圧

 また、「坐骨の押し上げ」はどこを狙って何をしているのか、大腿の足圧の重要なポイントなども説明がありました。その他いつものように色々な症例のお話がありました。

 奥伝の調整法は基本的な技とオプション技から構成されています。川口先生は基本技の重要性を繰り返し強調されています。「基本がしっかりできていればそれで事足りる」「基本が出来ていないで他の技に逃げては駄目だ」「手技は少ないほどいい。(不安になって)余計なことをしない。」

 裏を返せば簡単に身につくものは技術ではなく、時間をかけて磨いて自分のものになったものが本当の技術であるということ。それを患者さんに使って効果があることを知り、自信がつけばあれこれ技を増やす必要がなくなる。武道と同じで心技体と稽古・熟練が求められます。

 川口先生は余計な手技を削ぎ落して15分位の施術時間になったが誰も文句を言う人はいないとのこと、まさに名人の域に到達されているのではないでしょうか。

        2025/7/31

 

                                  

脈状診の重要性

 脈診の際に、脈状診と六部定位脈診という2つの考え方で脈を診ています。

 六部定位脈診は五臓六腑や経絡のどこに変動があり、全体的にどのようにバランスが崩れているのかを、脈状診は病の深さ(病位)や性質(寒・熱)、勢い(病勢)のように、現在の体の状態や体質を見極めます。

 例えば臓腑・経絡に変動がある場合でも

 脈が浮いていて強いもの 

   浮いていて弱いもの

   沈んでいて強いもの

   沈んでいて弱いもの

   は全て鍼の手技手法が異なってきます。本治法においては、一鍼ごとに脈の変化を確認して今の鍼が正しかったか、次の鍼はどうすべきかを考えて、良い方向に施術を進めていかなければなりません。

 そのためには良い脈とそうでない脈を知っていなければならない。良い脈になれば予後も良くなることが予測出来る。そのようなわけで脈状診はとても大切です。勉強会では兎に角触って憶える。私のような凡人は腑に落ちるまで数を触ってベテランの先生が施術した時の変化の違いも確認する。最初は何も分からなくても徐々に見えてくるものがある。

 

触り方の大切さ

 活きたツボを探す際、手や指が重いと脈が硬くなる。軽く触っても手に力が入っていると脈が良くならない。手を浮かしていても力が入っていると脈が良くならない。

 皮膚に接触させた鍼はしっかり押さないと気が動かない。その時も鍼を持っている手が固いとダメで、鍼を支えている方の手(押手)の当て方や指の開き方も重要。何より意識が大切。このあたり、合気道にとてもよく似ている。

 

 

その他

 症状で証(肝虚証など東洋医学的診断)を決めてはいけない。症状は結果であって証(原因)ではないと大切なお話がありました。

 

 2025/06/30

 90代男性(福島県会津在住)

    10年以上前、屋根の雪搔きをしていて梯子ごと転落。足に力が入らず救急搬送され腰椎骨折で入院。退院後もオーバーワークになると腰が痛くなり、そのたびに病院で注射と湿布の処方を繰り返す。

 今回お孫さんの演奏会を観る為に上京、演奏会で低い椅子に腰掛けていて腰が痛くなる(数日前)

さらに今朝庭いじりをしようとして痛くなり、歩くのも痛く、中腰や前かがみは怖くて出来ない。今までになく痛くなってしまったとのこと。

 娘さんに「あそこに行った方がいい」と勧められて車に乗せられて当院にいらっしゃいました。マッサージや整体・鍼灸等の経験は一度もなし。折角なので整体と鍼灸の両方を受けて頂くことにしました。

 

 整体で体の歪みを調整していく。

会津在住なので「今やっている技術は昔会津の御典医がやっていたものですよ。この右の足首がゴリゴリ音がしているのが分かりますか。整体はこれを戻す方向に動かしていきます」 パキッと矯正音。

 「本当だ。こういうのは自分じゃ出来ないな」

 鍼灸は仰向けで本治法(経絡のバランスを調える)の後、うつぶせで標治法(症状に対する施術)→鍼は10

本刺してお灸は3か所。「鍼は痛いのかと思ったが、何も感じなかった」

 「注射(みたいな太い針)を刺したことがあるのなら大丈夫ですよ」

 起き上がってもらうと背中も伸びて「楽になった」と靴下もご自身で難なく履いて、「歩けるようになった!最初は半信半疑でした。今後ともよろしくお願いします」と迎えにいらした娘さんと帰られました。

 

2025-06-27

 早めに出かければよいものを、慌てて出かける私の朝。胴着の入ったリュックを背負い、手にバッグを3つ持ち、両手はふさがった状態で家を出て駐車場に向かうその時、アゲハチョウが2羽、つがいで仲良くランタナの花に羽を揺らしながら蜜を吸いに来ていました(※ちなみにチョウチョウは「一頭」が正式で「一匹」も可、「一羽」は間違いだそうですが敢えて使っています)。

 蜜を吸う時は羽ばたきながら一定の高さで、ある時はゆらゆらと場所を変えながら、なんとも仲良さそうな2羽に感じられました。

 ご覧の通り写真を撮るのはへたくそな私ですが、思わず立ち止まって2羽を一つのフレームに入れようとスマートフォンで撮影しました。朝の太陽を浴びながら仲良く優雅に花の蜜を吸って羽ばたいている姿を見て、同じ世界に生きながら、恬淡虚無、自然と調和した静かで穏やかな極めて自然体で幸せな時間を生きる姿を見た気がしました。

 それと比するに自分は時間に使われていないだろうか、未来を言い訳にしていないだろうか、本当に今この時を大切に生きているだろうか。

 

 ふと現実に戻りその場を立ち去ろうとすると、彼らは逃げもせずに少しあとをついてきました。何かを伝えようとしてくれたのでしょうか。本当の幸せとは何か、日常に忙殺されて見失いがちなのが人間の性なのかも知れませんが、自分が愚かであることを認識していつも耳を澄ましていること、師匠がいつも仰っていた「心を澄みきらす」ことが自分を見失わない為に大切ではないかと考えさせられました。

押圧法の変更(骨盤調整)

 坐骨を押す際に今まで長い間行なってきた形よりも、痛みの強い方に対してもよりソフトでより遠くに力が届くようにやり方が一部改められました。また、腰部や骨盤(仙腸関節)の足圧も角度が改められ、それらを練習しました。

坐骨の押し上げ(旧来のもの)

樽転がし(旧来のもの)

踵の痛み

 踵の痛みというと足底腱膜炎やアキレス腱付着部の炎症、両側性の場合は脊髄の炎症か・・・等と長引く難症を考えがちですが、師匠の川口先生は簡単な手技での効果と再び症状が戻ってしまった場合の対処法を症例を交えて実演・お話くださいました。

膝痛

 中高年の膝痛というと変形性膝関節症→筋力トレーニング(大腿四頭筋、内転筋群、中殿筋)や下肢のストレッチング→これも長引く難症と考えがちです。川口先生は整体での手技と避けるべき動作、症状が戻ってしまった場合の対処法を症例を交えて実演・お話くださいました。

 

 その他にも様々な症例や経験談をいつものように沢山お話頂き、有意義な勉強会でした。

 70代男性。

 3日前に自宅で家具を移動して腰が痛くなったが治まった。昨日、室内の模様替えをして腰を痛めてぎっくり腰になった。以後靴下を履く動作や前かがみが痛く、怖くて出来ない。また、体を左に捻ると左腰~側腹部にかけて痛い。今朝痛み止めを飲んだが効果なし。1年前にも同じ症状になって病院に行ったが、レントゲンを撮り、痛み止めの飲み薬の処方だけだった。

 奥様がたまたま知らない人の噂を聴いて当院を調べて予約。お車でご主人を連れて来院されました。

 前かがみにならないように慎重に靴を脱いで、入り口の段差を上がってこられました。お話を伺い動作痛を確認してから何とか仰向けになれるので、お体の状態を見極める為に仰向けで脈やお腹、皮膚の状態を触って確認する。「やはりそうか」。ここ数日急に寒かったり暑かったり気候の変動が大きく、体に「風邪(ふうじゃ)」が入った状態でした。風邪は東洋医学では普段我々が使っている「かぜ」よりも広い概念で急な痛みや移動する痛み、脳卒中→中風(風に中【あた】る)等も含み、「かぜ」は風邪(ふうじゃ)のせいとも限りません。

 

 鍼は初めてとのことなので、刺激量を少なくするために鍉鍼(ていしん)という鍼で本治法(臓腑・経絡全体のバランスを調える)と散鍼(左右のバランスを整える)を行なう。リラックスされているご様子に見えました。幸いお腹や脈のバランスもだいぶ整いました。

 

 ↑少し見づらいですが、ボールペンの隣の金色のものが鍉鍼です。普段はその隣の2本銀鍼とステンレス鍼を使って本治法を行なっています。黄色の持ち手がついたものは一般的なステンレス鍼です。

 「うつぶせになれますか」と聞くと「大丈夫です」とさっきよりスムーズな動きでうつぶせで寝られたので「良くなるな」と思われました。痛みの患部(この場合悪くする危険がある)には一か所だけ鍼を刺して、それ以外の部位に少な目に鍼をしました。鍼の痛みもなく、お灸は1か所だけしましたが熱くないので「そんなもんで効くの?」と思われたそうです。

 

 起き上がって頂き痛かった動きをしてもらう。体を捻る動作は痛くないが前かがみはまだ痛みが残る。ツボを軽く押さえながら前かがみして頂くと痛くないのでそこに小さいシール鍼を貼って終了。

 風邪の治療をしたので喉の渇きなども良くなるかも知れないと伝えると、「ここの所喉が渇いてしょうがないのに今は唾液が出ている、すごい治療だ」「(ぎっくり腰)でどうしようかと思っていたので助かった」と動きもスムーズになり帰られました。

 

 学校では急性腰痛の前屈痛は筋筋膜性腰痛・筋繊維の小断裂、椎間板ヘルニア、後屈痛は椎間関節性腰痛等と教わります。

 鍼灸の勉強会では急性腰痛は腰に原因がない場合原因を治療しなけれ良くならない。また、慢性的に腰が悪い人がぎっくり腰になった場合と、そうでない人が急になった場合、さらに頑丈な人がなった場合と弱い人がなった場合は経過も治療法も異なり、病状と体質に合わせて施術しなければならないと教わります。

 未熟者の私もうまくいかなかった経験も多々してきました。道は遠く険しいですが、学・術共に日々の努力の継続の大切さを痛感しています。

 

 

 本日患者さんに頂いた熱海のお土産。カメさん柄のポーチ。前足が長くて洋服を着ているように見える。なんとなく笑っているように見えなくもない。さて、何に使おうか。

 かわいいお土産ありがとうございました(*^-^*)!

  24日に東京も桜の開花宣言が出ました。靖国神社の標本木の前に沢山の人が集まり、気象庁の開花発表に拍手をする光景は日本人の桜好きをよくあらわしていると思います。

   一心館合気道道場の枝垂れ桜もいつの間にか満開になっていました。合気という不思議な世界に魅せられた仲間(同志)達と、心を澄みきらせて稽古する。いつも稽古の後は新たな学びと心の爽快感で充実した帰り道となります。須一館長が「心身浄化教室 一心館合気道道場」と名付けた通りの空間となっています。枝垂れ桜はそんな我々を暖かく見守ってくれているような気がして心が和らぎます。

  これから暖かくなり、色々な事が始まる季節になりますが、いつでも心を澄みきらせて、日々新たな気持ちで合気も施術も取り組んでいきたいと思います。

 

 2025/03/26

 北風でしたが春一番とも思われるような、強風吹きすさぶ1日でした。普段は特別花に興味も示さず通り過ぎる私。

 強風に煽られながらも雲ひとつない青空の下、太陽の光を浴びながら逞しく咲く花。物凄く綺麗な特別な花という訳ではなく、もしかしたら立ち止まって顧みられることも殆んどないかもしれない。

 

 言葉を発することもなく、見返りを求めることもなく、唯自分らしくありのままに、自然と一体化して輝いている姿を見て、愛おしさよりも頭を下げたくなるような畏敬の念を抱き、自分の小ささ、未熟さ、愚かさを反省して、謙虚でいることの大切さを教えられた気分でした。

 

 2025/02/13

    今週、道場の月曜のメンバーで食事会がありました。メンバーの中にプロの口笛奏者のりょうすけさんがいて、そのスタジオ兼教室https://studioloro.jp/ryosuke/で奥様がブラジル料理を振舞ってくださいました。

  恥ずかしながら、たかが口笛だろうなどと偏見を持っていましたが、いざ演奏が始まるとびっくり、こんなに口笛は叙情的で高音が出て、音が長い間持続出来るものなのか。そして音の安定感は素人が聴いてもプロフェッショナルのものでした。

  普段から道場も休まず真面目にご夫妻でいらして、物静かなりょうすけさんに笑顔で明るい奥様、真面目で飾らず努力家な姿が伺えました。

  メンバーにもう一人演出家がいて、急遽セッションとなり、即興でクリスマスソングの演奏もありました。

  武骨者の私はこういう交友関係でもなければ、口笛の演奏やブラジル料理にはまず縁がなかったと思われるので良い経験となりました。

  ご夫妻のおもてもうらもない温かいおもてなしが何よりも嬉しかったです。以前操体法という整体を教わった先生が「人を見たら神様と思いなさい」と仰っていたのを思い出しました。他人との比較やマウントではなく、自分の小ささを知り、常に謙虚で敬意を持って人と接することが出来ればと思います。

  2024/12/20

     先月、一心館合気道道場での昇段審査が終わり、苦節10年目にして段位を得て黒帯を締めることになりました。

 元々段位や帯の色には興味がなく、只管技の探求に努めていましたが、いつまでもそのような無責任な姿勢でいることは許されず、審査を受けることになりました。

     今までは典型的なアウトローで道場の行事や食事会にも殆ど参加してきませんでした。これからは自分の事ばかりではなく、道場の事や後輩の方々の事もできる限り手助けして、人格・伎倆的にも黒帯が似合うように、そして何より、須一館長の伝えた精神を受け継いでいけるように精進していきたいと思います。

 

 「武とは正しき心の探求也」

 「武とは正しきを知り正しきを行うことなり。正しき心と自己探求の道であり、人間愛を護り育てて行く道なり」                      一心館合気道道場館長 須一天道

 

     2024/11/14

     4月末から毎週のように真面目に通ってくださっている80代女性。主訴は腰痛・坐骨神経痛(骨粗鬆症、腰椎圧迫骨折、椎間板ヘルニア歴あり)。繊細な体質で、天候や気温・気圧にも影響を受けやすく、刺激に対しても反応が出やすく、家事や運動をやり過ぎてもすぐに痛みが出ます。

 鍼灸で施術をしても最初のころは一進一退で目に見えて改善傾向がなかなか見られることもなく、証(東洋医学的見立てのこと→毎回同じではない)を間違えて悪くしたこともありました。以前は整形外科や接骨院・デイケアに通ったこともあったそうですが、体に合わなかったそうです。

 痛みと不安で動悸がしたり、骨の癌ではないかと考えて脊椎の専門病院を受診したこともありました。そのような状態でもなぜか私の事を信じて通い続けてくださいました。

      試行錯誤しながらも根気強く本治法と標治法を続けていくと10月上旬には「以前のように酷く痛むことはなくなった。今まで痛みで何も出来ず、本来の自分ではなかった。最近、少しずついろいろなことが出来るようになり、自分らしくなってきた」と仰られるようになりました。数週間前は肋間神経痛が出ましたが酷くならずに改善されました。本日は「昨日庭木の剪定を頑張りすぎて今朝から肩と腰が痛い」と来院されましたが、以前のような悲愴感は見られません。

     最近は笑顔が増えて明るい表情が多く、口数も多くなり、以前とは明らかに変わりました。具合が悪いころは、何もやる気が起きなかったそうですが、大好きな庭いじりで昨日剪定した、みかんをお土産に持ってきてくださいました。そのような姿を見て、とても嬉しい気持ちと共に、慢性的な症状も諦めなければ変わっていくことを身をもって教えて頂いた気がしました。根気よく通い続けてくださったことに対する感謝の念を強く抱きました。「患者さんが一番の先生」とは本当に日々感じさせられます。

 

2024/11/09

     私自身アレルギー体質で、奇麗なコスモスが咲き誇る時期は、秋の花粉症で目や皮膚がかゆく、鼻水も出やすい状態で、とりわけ不摂生が続くと酷いアレルギー症状が出ることがあります。

     今週日曜の鍼灸勉強会の朝も、睡眠不足の不摂生が続いたせいか痒みや鼻水が酷く、鬱陶しいのでステロイド薬を飲んで症状を抑えて勉強会に参加しました。

    体調が悪いということで、今回は患者役でベッドに寝て施術を受けさせてもらうことになりました。

 喉や発熱の症状はなし。変な汗をかいていて、汗はそのうち退きましたが電気敷布が当たっている背中以外、上半身が寒くてしょうがない。少し暑いくらいの日なのに人が傍を歩いた時の風圧でも寒く感じます。ベッドで寝ていても右頸の後ろ側が鈍痛があり、頚の座りが悪い。頭の奥や頭頂部にかけて重怠さと鈍痛がある。

 東洋医学では風邪をひくと悪寒・発熱(脈拍も速くなる)・脈浮(手首で拍動している脈が浮く)・項部強(うなじのこわばり)となりますが、私のその時の脈は沈んで速く硬いけれど風邪をひいた時の強く硬い脈ではない。指導されている浅場先生は、こういう場合薬を飲んでいることを考慮して鍼をしなければならないと仰られました。

     皆さんで脈やお腹・皮膚の状態を確認しながら施術が終わり、最後に浅場先生が調整をしてくれます。刺激量がオーバーしないように、てい鍼(ていしん)という太くて先端の丸い鍼を使います。今回は鍼の響きのようなものは何も感じませんでしたが、先生が接触させずに鍼をして2箇所目位で悪寒が全くなくなり、「やっぱり今日は暖かい日だったんだな」と思いました。施術が進むにつれて、頚や頭の不快感もなくなりました。施術後は表情も明るくなり、冗談を言って笑うようになったねと言われました。

 お灸も使わずてい鍼(皮膚に当てても軽くこするだけ)で短時間施術しただけでこれだけ変化することを体験をもって理解させられました。

 

先生はいつも仰ります「鍼は刺すものではない、気を動かすもの。気を動かす鍼をしなさい」

 

 2024/10/17

    月に見立てたお団子を高く積み上げ、その先端は遠い世界へ通じる。稲穂に見立てたススキは魔除けの意味もあるとのこと。月を愛でながら収穫への祈りと感謝の気持ちを捧げる。中秋の名月の後にそのお団子を頂くことで月の力を分けてもらい、健康と幸せを得られると考えられたそうです。素敵な習慣ですね。

    昔の人たちは自然や宇宙・世界との調和と感謝の気持ちを風習や習慣として遺してきました。

人体を小宇宙と考え、体外との、或いは体内での不調和によって体調が乱れ疾病を引き起こし、調和によって健康に導きます。

    本日、一心館合気道道場の裏にも彼岸花が咲いていました。彼岸花はいつの間にか成長して咲くのでいつも驚かされます。

今年は連日記録更新が続く猛暑で、まだまだ30℃越えの残暑でありますが、それでもちゃんとお彼岸近くに咲き出しました。

可憐で美しく不思議な形の彼岸花。曼珠沙華とはサンスクリット語で「天界に咲く花」との意味があるそうです。赤いものと白いものがありますが、そんなことを考えて見てみると不思議な気持ちになります。

 

 日常生活に忙殺され、近視眼的な思考になりがちな日々ですが、自然はいつも無償で見返りを求めず、心にゆとりを与えてくれます。

 

 自分の小ささを認識し、反省と感謝と調和を忘れずに心がけて生きていたいと思います。

 

     2024/09/18

    整体やマッサージは受けたことがあるけれど、鍼灸は受けたことがない。特に「鍼は怖い、痛そう」「でもどんなものか気になってはいる」。そんな方がよくいらっしゃいます。ごもっともなことだと思います。

 当院ではそのような方の為に、整体(奥伝の調整法)の後に鍼灸(経絡治療)を受けて頂けるセットメニューをご用意しています。

 施術の際に説明はしますが、ウンチクよりも受けてみるのが一番、受けてみないと分からない。体験して感じ取って頂く事を目的としています。そして次回以降は体調に応じてメニューを選ぶ基準になると思います。

 床(布団)で行なう古伝整体術と日本で発展・発達した繊細な鍼灸術である経絡治療、どちらも個人の体質に合わせて無理のない施術を行なっています。刺さない鍼を希望される方には刺さずに鍼を接触させる方法で施術していますのでご安心ください。

 整体を受けた後の体の感覚、鍼灸を受けた後の体の感覚、ウンチクを説明されるよりも体験に勝るものはありません。

 お得なセットメニュー、安心して是非お試しください。

 

 2024/08/13

 金曜、土曜と鍼灸施術を受けるのが初めてという方々が来院されました。皆さん注射は受けたことがあるのに、特にお灸より鍼は何となく怖さがあるようです。 来院時は緊張した表情でしたが、幸い施術後は皆さん笑顔で帰られました。初めての鍼灸が嫌なものに印象づけられなかったようで良かったです(*^-^*)。。

 日曜は鍼灸勉強会と暑気払いの後、母親の鍼灸施術をしました。腰痛が酷いので仕事を休み、整形外科では画像診断で異常なし、痛み止めの飲み薬と湿布。下腹部痛もあるので婦人科受診しても問題なし、本人は膵臓がんではないかと不安になり内科で血液検査してもらったが異常なく、今のところこれ以上の精密検査は必要なしとの医師の判断。仕事には何とか行けるようになったが、依然として腰部・殿部に痛みがあるとのこと。整形外科は混んでいて1時間半待ちなので行きたくない様子でした。

 数日前に鍼灸施術を提案したが返事なし。やはり怖いらしい。しかし良くならないので今回は観念した模様、施術をすることになりました。

 望診(視診)、切診(触診)してすぐに、こんなにくたびれた体をしていたのかと感じました。陰陽虚実のバランスが崩れ、脈もバンバン硬くデコボコに拍っていて、症状が出て当たり前の状態に感じられました。体を診て、ツラかったことが想像され、放置していた自分を反省しました。

 本治法で経絡の歪みを調え、標治法で局所を施術します。標治法も皮膚の状態を診ながら、鍼やお灸を使って表面の虚実を調えるように行ないます。7本刺しましたが全く痛みも響きもなかったそうです。施術前より皮膚の状態も脈の状態も改善されたので、続ければ良くなっていくと感じました。

 翌日の夜に具合を訪ねると痛みは残るが改善され、痛み止めの飲み薬は1日3回飲んでいたのが1回になり、湿布は貼るのをやめたとのこと。

 今後は良くなるまで何度か施術を続けようと思います。

 

 2024/07/16

はり・きゅう・マッサージ
うみがめ

住所

〒194-0003 東京都町田市小川3-1-3

アクセス

成瀬駅徒歩22分・町田駅バス15分
駐車場あり (※満車の場合、近隣のコインパーキングをご利用ください)

営業時間

9:00~20:00

定休日

月曜日 第2・第3日曜日