町田市の鍼灸・整体院

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三焦(。´・ω・)?

 

 今月の鍼灸勉強会の講義は『難経第31難』で私が発表者でした。

 『難経31難』は三焦の位置と機能・治療穴について書かれています。三焦(さんしょう)は五臓六腑の六腑の一つで「機能はあるが形はない(名あって形なし)」と言われます。他の臓腑は西洋医学的・解剖学的にあるけれど三焦はないから想像がつかない、と思うでしょう。しかし東洋医学でいう臓腑とは上図のような解剖学的臓腑とイコールではありません。例えば脾臓は西洋医学的には古くなった赤血球の破壊や免疫反応、血液の貯蔵、胎児・乳児期の造血などが主なはたらきですが、東洋医学的には食物からエネルギーを作り出す作用、エネルギーを上に運ぶ作用、出血を少なくする作用、便秘下痢・手足の怠さ等にもかかわっています。胆嚢は西洋医学的には胆汁を生成して脂肪の消化をスムーズしていますが、東洋医学的には決断力がなくなったり、めまい耳鳴り、口の苦み、寝返りが打てない、ため息をつく等に関係しています。その他にも悪夢や精神異常は心臓、イライラは肝臓、咳込みは腎臓、痔は膀胱や肺に関係があったりします。

 混乱の原因は東洋医学の臓器と西洋医学の臓器を同じ名前で呼ぶようにしたことによって生じています。東洋医学では五臓には精神も宿ると考え、より広い意味での機能と捉えられています。さらに臓腑から経絡というエネルギーの流れがあり、その経絡上のツボ(経穴)を使って治療を行います。経絡治療ではその経絡の変動(虚実)を判断して施術を行ないます。

 「肝・腎が弱い」(肝虚証)などと言うと「私は肝臓と腎臓が悪いのですか?(血液検査は正常なんですけど)」などと聞き返されますが、肝経(肝臓に繋がる経絡)・腎経(腎臓に繋がる経絡)の流れが弱いということで、これも東洋医学と西洋医学の臓器の呼び名が一緒であることの混乱・誤解であります。 

 話が逸れましたが、六腑の一つである三焦については西洋医学にはありません。三焦は気や津液(透明の液体)の通り道であり汗や水分代謝に関わるもの、或いは飲食物の消化器系統である、或いは上・中・下焦に分けて呼吸・消化・排泄系統と考えるもの等ありますが、なぜ三焦があり三焦が大切なのでしょうか。

 『難経第38難』に「原気の別有りて諸気を主持す(腎臓にある生まれつきの原気の別動隊があって、営気・衛気・宗気をつかさどりたもつ)」とあり、三焦には生まれつきのエネルギーと後天的なエネルギーが混ざった、「三焦の原気」と呼ばれるエネルギーが流れて全身に巡り、自然治癒や疾病治癒、異常を正常に戻す働きを担っています。「疾病治癒に大事なものの最中の最である」「医者も鍼灸師もこの三焦の原気の働きに手伝いするに過ぎないのです。手伝いの上手な人が名医、下手な人が藪医」(本間祥白先生)。

 三焦のはたらきが絶たれれば生命は絶たれる。他の臓腑は死んでも実体として残るが三焦は残らない。三焦は生命力そのものとも言えるのかも知れません。

 経絡治療では本治法の最後に三焦経を施術(補瀉)します。全体を整える働きがあります。

 とらえどころのないとも言える三焦、鍼灸師によって考え方も色々あると思います。皆さんの治療をしてくれている鍼灸師さんに尋ねてみるとまた面白いと思います。

 

 2020/05/31

 

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